導入事例

導入事例紹介

大学名:九州工業大学

九州工業大学は、1909年に開学した私立明治専門学校を起源とする国内屈指の歴史を持つ伝統ある国立大学。現在では、北九州市戸畑区、同市若松区および飯塚市に2学部・3大学院(2学府・1研究科)を構え、約5千6百名(学部学生:約4千名)の学生を有する工学系大学として、最先端の教育と研究を行っている。卒業生は研究者やエンジニアを中心に日本はもとより世界を舞台に活躍しており、産業界を支える数多くの人材を輩出している。

【UNIVERSITY DATA】
本部所在地:福岡県北九州市戸畑区仙水町1-1
設置:1909年
学部:工学部、情報工学部 大学院:工学府、情報工学府、生命体工学研究科
学生数:5,619名(2021年5月1日現在)
職員数:952名(2021年5月1日現在)
URL:https://www.kyutech.ac.jp/

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教育及び研究に必要不可欠な
遠隔コミュニケーションを
支える基盤にZoomを選択

教育及び研究に必要不可欠な
遠隔コミュニケーションを
支える基盤にZoomを選択

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世界的なパンデミックで遠隔講義の環境づくりが急務に

九州工業大学(以下、九工大)は、1909年に私立明治専門学校として開学して以来、建学の精神「技術に堪能なる士君子」の養成の実践により、これまで7万人を超える工学系人材を世に送り出すとともに、学術の進展につながる知の創造、産業界の競争力強化並びに地域の発展に貢献してきました。近年は「未来思考キャンパス構想」を掲げ、キャンパス内に最先端の「未来環境」を構築することで、学生や研究者が未来を身近に感じ、自由な発想で新たなアイデアを生み出すことを目指した取り組みを推進しています。

そんな九工大では、1986年に情報工学部が設置された当時から情報社会のモデルとしてキャンパスを位置づけ、専用端末でのテレビ会議システムを活用した遠隔講義のトライアルをはじめ、最新規格を取り入れた無線LAN環境の整備やBYODを前提とした基盤整備など、他大学に先駆けた先進的な取り組みを進めています。

「1992年ごろからISDN回線によるテレビ会議システムを導入するなど、継続的にテレビ会議環境を整備してきた経緯があります。大学間連携や遠隔講義、また海外と接続しての打ち合わせなどに利用してきました。」(大西氏)

九州工業大学
学習教育センター
ICT支援部門
准教授
大西 淑雅 氏

九州工業大学
大学院 情報工学研究院 情報・通信工学研究系
教授
梅田 政信 氏

 以前からキャンパス間による遠隔講義のための環境整備が行われていた九工大ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で全学的に遠隔事業の環境整備が求められることに。

「対面の講義が難しくなるなか、高校を卒業したばかりの新入生は遠隔講義の経験がない人も多い。入学前に遠隔講義を模擬実施するなど事前準備を進めたいと考えたのです。」(梅田氏)

そもそも講義が実施できないと教育機関として成立しないため、たとえ予算がなくとも環境づくりが必要だと考え、全学的な環境整備に向けて関連部署に相談することになったのです。

■講義で使いやすく、周辺システムとの連携が柔軟な仕組みを希望

 これまで行ってきた遠隔講義では、キャンパス間や大学間をつないだものが主流でしたが、オンラインで講義に参加するスタイルになるため、従来とはガラッと使い方が変わってきます。

「学生や教師がオンラインで自宅を含めたさまざまな環境から講義に参加するため、ボタン一つでアクセスできる専用機の利便性を少し犠牲にしてでも、汎用性の高い環境で求められる教育スタイルに適した環境づくりが求められました。」(大西氏)

九州工業大学
情報基盤センター
教授
中村 豊 氏

従来の環境では、会議室に機器を設置するため利用できる部屋が限定されてしまうだけでなく、設置そのものの費用や保守関連のコストも高額で、接続拠点が増えればMCUなどの装置が別途必要など課題も顕在化していました。

「新たな環境への刷新に備え、まだ国内法人がない2016年ごろから個人的にZoomを導入し、情報基盤センター内で試験的に試していた経緯があります。専用端末として利用できる会議室設置型の   Zoom Roomsも備えていたことから、いずれは置き換えも可能だと以前から考えていたのです。」
(中村氏)

実際にシンポジュウムなどでZoomを利用した経験のある福田氏は、「高品位な音声で会議できる専用端末と同等の音声品質が確保でき、ノイズキャンセリングもしっかり機能していました。他のツールに比べて圧倒的に質がよかった」と当時の印象について振り返ります。

 そんな状況下のなか、学校主催のオリエンテーションなどには対応できるよう急遽Zoomの数十ラインセスを購入して急場をしのぎながら、経済産業省が臨時休校対策の一環として実施したマナトメサポートプログラムを利用し、Zoomを含めた複数のビデオ会議サービスを活用してきました。そしてサポートプログラムが終了後には、学生も含めて全学で利用できる環境整備に向けて、調達に向けた入札を行うことになったのです。

九州工業大学
情報基盤センター
准教授
福田 豊 氏

「講義での活用を見据えて、誰にでも使いやすいツールである必要がありました。特にプログラミングの授業では、演習を中心とした指導が必要で、コメント機能はもちろん、問題箇所を画面上からでもわかりやすく示せるポインター機能が備わっていないと授業では使い物になりません。」(梅田氏)

実は大学としてMicrosoft 365を契約していたものの、利用者の負担が減らせるよう、Microsoft Teamsのようにログインしないと使えない仕組みは避けたかったと語ります。

 将来的には認証時にSSOが可能な仕組みであるなど、管理面でも求められる要件を満たす必要がありました。「周辺システムとの連携が柔軟であることはもちろん、使い方などが簡単に調べることができるよう、Web上に情報量が多く掲載されているものが必要でした。全ての問い合わせに応えるマンパワーも不足していたため、自分たちで調べて活用していけるものを望んだのです」と大西氏。

 使い勝手や管理面などを考慮して入札を実施し、最終的にはZoomを軸に応札した日商エレクトロニクスが選択され、正式に全学的なコミュニケーション基盤としてZoomが採用されたのです。

管理者の負担軽減につながる情報提供やセキュアな環境づくりの支援などを高く評価

現状は、教職員や学生含めて5000人ほどが利用できる環境が整備されており、全学生へのアカウントの払い出しはこれから行われる予定です。ホスト数に応じてレコーディング容量が加算される点を考慮し、現在は個別に買い足ししていた環境からサイトライセンスに切り替えています。また、特定の部屋にはZoom専用端末のNeatを導入し、海外の研究室グループとのミーティングやディスカッションでの活用はもちろん、学生にも広く開放していく予定となっています。

 職員間での事務会議はもちろん、学会活動や海外の大学との交流イベントや企業との共同研究時の打ち合わせなど、その用途は多岐にわたっており、日々2~30ほどの会議が開催されているほど日常的なコミュニケーションインフラとして広く活用されています。講義では、ブレイクアウトルームの機能を活用してグループワークを実施するなど、遠隔講義の中心的な基盤として学生の学びを支援している状況です。

 また、インシデントレスポンス時に現場とZoomをつなぎ、実際の画面をモニタ越しに確認しながらのセキュリティ対応などにも活用されています。

「端末の状態を把握する際に、電話では実際の画面が確認できません。ログを見ながら端末の画面をZoom越しに映してもらい、こちらから指示を出すといった使い方です。」(中村氏)

 さらに、学内の仮想マシンにZoomのミーティングコネクターを設置することで、セキュアな環境でビデオや音声、ファイルデータなどのやり取りが可能な環境を整備しています。

「役員会も含めて機微な情報を扱う会議もオンライン上で実施する必要があり、セキュリティ上の懸念がありました。そこで日商エレクトロニクスのエンジニアに相談したところ、認証情報などはクラウド上と接続するものの、会議内の情報は全てオンプレ内で完結できる仕組みをご紹介いただきました。我々の課題にもしっかり応えていただけています。」(中村氏)

日商エレクトロニクスに関しては、大学独自の認証基盤と連携したSSOを実現するべく、プログラム提供などカスタイズを含めての手厚い支援があったと大西氏は高く評価しています。個別勉強会の開催をはじめ、Zoomに関する情報量が多くWebサイト上で公開されている点も評価のポイントの1つ。

「分かりやすくZoomの情報を紹介してくれていることで、問い合わせに関する負担も減っているはず。何かあればWebサイトを見てもらうようにするなど、管理者の負担軽減にとても役立っています。」(大西氏)

「導入後に機能追加された、参加者同士はお互いの顔を見せずにホスト側では全員の顔が見えるフォーカスモードについて情報提供いただきました。講義では未使用ですが、何かあった時にはすぐにモード切替で対処できます。そんな機能があることを知っているだけでも心に余裕が生まれます。」(梅田氏)

Zoomパートナーとしてさらなる使い勝手向上や要望のエスカレーションに期待

今後については、教育や研究の場面でさまざまなツールを積極的に展開していきたいと大西氏は語ります。

「新しい技術を学生も含めて体験する機会を継続的に提供していかないと、将来を担う優秀な技術者は育ちません。今回のWeb会議もそうですが、できる限り学生に新たなツールに触れてもらえる機会を増やしていき、スタンダードなツールとして定着させていきたいと考えています。」(大西氏)

 また、Neatも含めてZoomのプラットフォームを活用した環境づくりについて、大学の現場に適した活用方法の提案や他大学の事例など、引き続き情報提供に期待していると語ります。

「遠隔講義がさらに便利になるよう、Zoom内に実装して欲しいと考えている機能は残っています。ぜひZoom本体へのエスカレーションも含め、パートナーとしての活動に期待しています。」(梅田氏)

「講義室でZoomを利用してハイフレックス講義を行う際には、スピーカーやカメラなどのセットアップに手間がかかるため、ボタン1つで簡単にセットアップできるような、周辺機器とのハイブリットな連携が容易にできるような環境が理想的です。周辺機器も含めて扱っている日商エレクトロニクスだからこそできる最適な提案はぜひお願いしたい。」(福田氏)

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